建売住宅の平均寿命は何年?物件の選び方と長持ちの秘訣を解説

建売住宅の平均寿命は何年?物件の選び方と長持ちの秘訣を解説

建売住宅の購入を検討するなかで、寿命がどのくらいなのか気になった方も多いのではないでしょうか。住宅は大きな買い物なので、何年住めるのかをイメージしたうえで購入することが大切です。 そこで本記事では、建売住宅の寿命の目安を紹介するとともに、長く住める良質な物件の選び方を詳しく解説します。 購入した建売住宅を長持ちさせる秘訣も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

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建売住宅の寿命の目安は25〜90年

建売住宅の寿命の目安は25〜90年

建売住宅の寿命は、およそ25年〜90年とされています。具体的にどのくらいの品質の物件なら長く住めるのか、法律の基準を踏まえながら詳しく見ていきましょう。

建築基準法レベルの建売住宅の寿命は25〜30年

建築基準法には、住宅を建てる際に最低限必要な耐久性について定めた「耐久性等関係規定」と呼ばれる規定があります。
規定の内容は主に以下3点で、規定を守って建てれば、およそ1世代が安全に住み続けられるだけの耐久性を備えた家になります。

  1. 地震や台風に耐えるための構造設計の方法
  2. 使用する材料(木材や鉄骨など)の品質・強度の基準
  3. 家を支える重要な部分(基礎や柱など)の施工方法

1世代とは、年数にすると25年〜30年程度です。つまり、建築基準法を守って建てられた建売住宅であれば、少なくとも寿命は25年〜30年以上ということになります。

高品質な建売住宅なら寿命が50年以上持つ

建築基準法の基準は最低限守るべきレベルであり、実際には30年以上住み続けられるよう設計された建売住宅が多いです。
特に、「劣化対策等級2」以上の基準で設計された建売住宅であれば、50年以上住み続けられます
劣化対策等級とは、住宅を長持ちさせる対策の程度を3段階で示す指標です。等級が高いほど対策が徹底されており、寿命が長い家になります。

等級

定義

寿命の目安

劣化対策等級1

1世代が住み続けるために十分な劣化対策が講じられている(建築基準法レベル)

25年〜30年

劣化対策等級2

2世代が住み続けるために十分な劣化対策が講じられている

50年〜60年

劣化対策等級3

3世代が住み続けるために十分な劣化対策が講じられている

75年〜90年

2022年度には57,798戸の建売住宅が劣化対策等級の認定を取得しており、その大半が耐震等級2以上でした。これは正式な審査を受けて認定された物件の数であり、同等の性能で設計された建売住宅の数はさらに多いと推測できます。
寿命が50年以上の家を購入すれば、住宅ローンも余裕を持って完済でき、住み慣れた環境で老後まで暮らせるでしょう。

参照
住宅性能評価・表示協会|劣化の軽減
住宅性能評価・表示協会|令和3年度建設住宅性能評価書(新築)データ(一戸建て)

耐用年数とは建売住宅の資産価値の寿命

建売住宅の寿命を調べる際に、「耐用年数」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
耐用年数とは、法律によって定められた「固定資産としての価値がなくなるまでの期間」です。例えば、自己居住用の木造住宅の耐用年数は33年に定められています。
住宅の寿命と間違われることも多いですが、耐用年数はあくまで固定資産税を計算するために設定された「税制上の資産価値の寿命」です。
個別の家の品質には関係なく、木造や鉄骨造などの構造によって一律で年数が決まっています。住み続けられることを意味する物理的な家の寿命とは異なるので注意しましょう。

参照:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

建売住宅と注文住宅の寿命の違い

建売住宅と注文住宅の寿命の違い

建売住宅は注文住宅よりも比較的価格が安いため、寿命も短いのではないかと不安になる方もいるでしょう。そこで、建売住宅と注文住宅の寿命の違いについて詳しく解説します。

建売住宅と注文住宅で明確な寿命の差はない

建売住宅と注文住宅の違いは、建ててから販売するか、契約してから建て始めるかという点です。家を建てる方法や使用する材料はある程度共通しており、どちらも建築基準法の基準をクリアしなければ建てられません。
そのため、同じグレードの家であれば、明確な寿命の差が生じることはないでしょう
なお、建売住宅の価格が注文住宅より安いのは、以下の特徴があるためです。

  • 複数の家の土地や材料をまとめて仕入れるため、割安になる
  • 間取りやデザインをパターン化することで手間を省き、人件費を削減している
  • 商品をそのまま展示できるため、高額なモデルハウスを建てる必要がない

このように、注文住宅と同じ水準の材料を使用しても、効率化することによって価格をおさえて提供できます。寿命が短い安物の材料を使っているわけではないため安心してください。
建売住宅が安い理由については、以下の記事でより詳しく解説しています。

建売住宅は物件選びとメンテナンスで寿命に差が出やすい

建築基準法を守って建てられる以上、建売住宅は少なくとも25年〜30年は住み続けられる程度の耐久性が確保されています。
しかし、高品質な物件を選べば、100年近く住み続けることも可能です。建築基準法レベルの物件に比べて3倍近く寿命が長いことになり、物件選びがいかに重要であるかがわかります。
また、家の寿命はメンテナンス状況によっても変動します。定期的に補修しながら丁寧に住み続ければより長持ちし、反対に放置すれば早く劣化してしまうでしょう
そこで、次章より長持ちする物件を選ぶポイントや、寿命を延ばすメンテナンスの秘訣について詳しく解説していきます。

寿命が長い建売住宅の選び方

寿命が長い建売住宅の選び方

寿命が長い建売住宅を選ぶには、以下5つの項目をチェックしましょう。

  1. 住宅性能評価制度に対応しているか
  2. 立地や地盤の条件がよいか
  3. 保証・メンテナンス制度が充実しているか
  4. リフォームしやすいか
  5. 内覧時の品質がよいか

順番に詳しく解説します。

住宅性能表示制度に対応した建売住宅を選ぶ

住宅性能表示制度とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」に基づき、住宅の性能を等級でわかりやすく表示する制度です。
住宅性能表示制度に対応した住宅会社の場合、建売住宅の情報欄などに性能を示す等級が記載されています。比較しながら、性能が高く高品質な物件を選びましょう。
等級は全部で10項目ありますが、特に住宅の寿命に関係する項目は以下3つです。

劣化対策等級

基礎や柱などの重要な部分に対する劣化対策の程度を示す等級。
住宅本体の寿命に大きく関係する。

維持管理対策等級

給排水配管のメンテナンスのしやすさを示す等級。
等級が高いほど修理しやすいよう配慮が行き届いている。

耐震等級

地震に対する強さを示す等級。
等級が高いほど住宅本体が頑丈につくられており、倒壊しにくい。

いずれの項目も等級1が建築基準法の基準に相当し、等級が高いほど性能が高い住宅を示しています。長く住み続けるためには、等級2以上の物件を探すとよいでしょう。
なお、等級の記載が見つからない場合は、等級1(建築基準法レベル)で設計されているケースがほとんどです。ただし、正確には住宅会社に問い合わせて確認してみてください。

立地や地盤の条件がよい建売住宅を選ぶ

建売住宅が土砂崩れや洪水被害の及ぶ地域に位置する場合、突然の自然災害で家を失うリスクがあります。
また、土地の地盤がゆるければ、地震の揺れが大きく伝わって倒壊したり、家が重みで沈んで傾いたりしてしまうでしょう。
このように、建物の寿命が長くても、土地の条件が悪ければ長く住み続けられません。物件を選ぶ際は、必ず土地の情報を調べてから決めましょう。
土砂崩れや洪水などの危険区域は、「ハザードマップ」を調べれば確認できます。
地盤の硬さは、住宅会社に地盤調査結果を見せてもらうか、国土交通省が提供している「地盤サポートマップ」を利用して調べるとよいでしょう。

参照
国土交通省|重ねるハザードマップ
ジャパンホームシールド|地盤サポートマップ

保証・メンテナンス制度が充実した建売住宅を選ぶ

長く住み続けるためには、購入後の適切なメンテナンスで寿命を延ばすことが大切です。
建売住宅の保証やメンテナンス制度の内容は住宅会社によって異なるため、事前に確認したうえで物件を選びましょう。
例えば、以下のような内容があると安心です。

定期点検サービス

数年単位で専門スタッフが訪問し、重要な部分を点検する。10年目の点検まであると安心。

構造体保証

基礎や柱などの基本の骨組みに関する保証。法律で10年間の保証が義務づけられている。工事保証書をもらえるか確認しておく。

防水保証

バルコニーなどの屋外部分の防水処置に関する保証。一般的には10年間。

設備の保証

水まわり設備に関する保証。一般的には1〜2年間。

地盤保証

地盤が原因で家が傾くなどのトラブルが発生した際に保証してもらえる。一般的には10年間。

シロアリ保証

引き渡しから数年の間にシロアリ被害が出た場合に保証してもらえる。一般的には5年間。

また、保証期間が終了したあとに相談できる窓口があるかどうかも確認しておきましょう。設備の更新やリフォームの時期などを気軽に相談できる環境があれば、安心して生活できます。

リフォームしやすい建売住宅を選ぶ

家の品質そのものに問題がなくても、家族構成の変化や高齢化によって暮らしにくくなれば、寿命をむかえる前に売却や建て替えが必要になってしまうでしょう。
長く住み続けるためには、将来リフォームしやすい建売住宅を選ぶことをおすすめします。
リフォームしやすい物件の特徴は、以下のとおりです。

  • 水まわりが1ヵ所にまとまっており、配管工事がしやすい
  • シンプルな間取りで、あとから壁を追加しやすい
  • 段差が少なく、バリアフリーにしやすい

例えば、吹き抜けやステップフロアなどの変わった間取りの物件は、床を追加したり壁を撤去しにくかったりとリフォームしにくく、工事費用も高額になる傾向があります。
シンプルな間取りの物件であればコストをおさえてリフォームできるため、ライフステージの変化に対応しつつ長く住み続けられるでしょう

内覧で品質チェックしてから建売住宅を選ぶ

建売住宅の寿命には、施工品質が大きく影響します。設計上は長持ちする家でも、適切に施工されていなければ本来の耐久性を発揮できず、想定より早く寿命をむかえてしまうでしょう。
そのため、内覧時に住宅の外部や内部を細かくチェックして、買ってはいけない低品質な物件を避けることが大切です。
例えば、以下のような点が見つかる物件は危険です。

  • 部屋の角や収納のなかなどの目立ちにくい場所の仕上げが雑
  • 床下に水が溜まっている
  • すきま風やカビ臭さを感じる

特に、住宅は湿気に弱いため、施工が雑ですきまができたり防水処置が徹底できていなかったりすると早く劣化してしまいます。目で見える症状だけでなく、ジメジメした感覚や臭いなどの感覚もチェックしましょう。
建売住宅の内覧時にチェックしておきたいポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

建売住宅の寿命を長持ちさせる3つの秘訣

建売住宅の寿命を長持ちさせる3つの秘訣

良質な建売住宅を選んだら、以下3つのポイントをおさえてさらに寿命を長持ちさせましょう。

  1. 定期的な点検とメンテナンスを徹底する
  2. 外壁などの寿命のサインを把握しておく
  3. 補修費用や設備の更新費用を積み立てておく

それぞれ詳しく解説します。

1.定期的な点検とメンテナンスで寿命を延ばす

建売住宅の寿命を長持ちさせるには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。主に必要なメンテナンスの内容とタイミングを確認しておきましょう。

メンテナンスの内容

タイミング

費用の相場

屋根

塗装

10年〜20年ごと

60万円〜80万円

更新(ふき替え)

25年〜35年ごと

140万円〜180万円

外壁

塗装

10年〜20年ごと

30万円〜40万円

シーリング(つぎ目)の打ち替え

10年〜20年ごと

5万円〜20万円

更新(張り替え)

25年〜35年ごと

30万円〜250万円

床下

シロアリ防止処理

5年〜10年ごと

15万円〜30万円

ベランダ

防水更新

10年〜20年ごと

30万円〜70万円

設備

配管の高圧洗浄

5年〜15年ごと

3万円〜5万円

給湯器更新

8年〜10年ごと

10万円〜20万円

トイレ更新

10年〜20年ごと

10万円〜25万円

キッチン更新

15年〜20年ごと

50万円〜200万円

風呂更新

15年〜20年ごと

60万円〜100万円

内部

フローリングや畳の更新

25年〜30年ごと

5万円〜

特に、屋根や外壁の塗装は見た目を美しくするだけではなく、雨や紫外線から内部の材料を保護する役割があります。放置すると急速に劣化が進みやすくなるため、目立った不具合がなくても定期的にメンテナンスしておきましょう。
なお、メンテナンスのタイミングが近い項目は、まとめて発注するのがおすすめです。
例えば、外壁と屋根の補修工事を同時に行えば、足場の組み立て・解体作業が一度で済むため、費用を安くおさえられるでしょう。

参照:住宅産業協議会|住まいのメンテナンススケジュール

2.外壁などの寿命のサインを把握しておく

建売住宅を長持ちさせるためには、寿命が近い場所を早く見つけて補修・更新することが大切です。寿命が近づいたときにあらわれる主な症状を確認しておきましょう。

対象

寿命が近いサイン

屋根

  • 塗装がはがれたり変色したりしている
  • 屋根材にずれたり欠けたりした部分がある
  • カビ・コケなどがある
  • 軒裏も雨もりや湿気でできたシミがある
  • 雨樋がひび割れたり詰まったりしている

外壁

  • シーリング(つなぎ目)にひび割れやすきまがある
  • 触ると白い粉がつく(塗膜の劣化症状)

基礎

  • ひび割れがある
  • 晴れた日が続いてもシミが消えない(配管からの水もれの兆候)

設備

  • 赤っぽい水が出る(配管の劣化症状)
  • 浴室の床や壁にひび割れがある
  • 水を流すと壁の奥から「ドン!」「コンコン!」といった音がする(配管の劣化症状)

内部

  • 床がきしんだりベコベコしたりする
  • 天井にシミがある(雨漏りの兆候)
  • 床下がカビ臭い
  • 木材に虫食いのあとが見られる

不具合を放置すると、構造部材などの重要な部分まで被害が広がってしまい手遅れになる恐れがあります。少しでも怪しいと感じた部分があれば、住宅会社に連絡して対応してもらいましょう。

3.補修費用や設備の更新費用を積み立てておく

「1.定期的な点検とメンテナンスで寿命を延ばす」で紹介したとおり、建売住宅のメンテナンスには数十万円〜数百万円のまとまったお金がかかります。
そのため、ついあと回しにして放置しやすく、気づいたときには劣化が進んで寿命をむかえてしまったという方も少なくありません。後悔しないためには、メンテナンス費用を計画的に準備することが大切です。
家が寿命をむかえるまでにかかる補修費用は、およそ800万円〜1,000万円です。目安として、年間10万円〜50万円程度のペースで修繕・更新費用を積み立てておくとよいでしょう

寿命が長い建売住宅をお探しならSHIRO

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まとめ:寿命が長い建売住宅で安心して暮らそう

まとめ:寿命が長い建売住宅で安心して暮らそう

建売住宅の寿命は短くて25年〜30年であり、高品質な物件を選べば100年近く住み続けることも可能です。
長持ちする物件を選ぶには、劣化対策等級や維持管理対策等級などで品質を確認するとともに、立地条件やメンテナンス体制などを総合的にチェックしましょう。
また、住宅の寿命はメンテナンス次第で変わります。適切なタイミングで補修工事を依頼できるように、購入後は計画的に資金を積み立てておくことをおすすめします。
ぜひ本記事を参考にして、長く安心できるマイホームを手に入れてください。

吉本えり

吉本えり

二級建築士・整理収納アドバイザー1級資格保有。大学院まで建築学を専攻し、ハウスメーカーでの勤務を経てWebライターとして独立。建築、不動産、インテリアなど住まいに関する記事を執筆しています。執筆実績100記事以上。

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